夜を駆けまわる!

僕の夜

夜の散歩は、一日の中で最も楽しみにしている時間だ。

日中は鎖で繋がれてはいるものの、道ゆくおいちゃんやおばちゃんが声を掛けてくれ、時にはおやつをくれる。郵便物を届けに来た人や来客がある時は、家の人に「誰かきたよ!」と声を出す。なかなか忙しい。でも緩やかな風の中時折、温かい太陽が犬小屋の周りを照らすと、うとうとして気づけば夕飯の時間。

娘さんの帰りは遅い。娘さんが晩御飯を食べ終わるのを静かに待つ僕。食べ終わった!と思ったらおやつタイム~。そわそわするが、ぐっと我慢だ。合図は娘さんがいつも使うヘッドライトを頭に装着した時。

さぁ出発だ。

鎖からリードへ繋ぎなおされて、静かな住宅街から田舎道へ入る、ワクワクが止まらない。リードにつながれた感触は、まるで娘さんとの絆。

でも僕が主導権を握って、行きたいところへリードを引っ張る。たまに娘さんから「こっちよ!」って方向転換させられるけど、全く問題なし。とにかく用を足すまではいつものルート。僕ははわくわくしながら新しい匂いを嗅ぎ、時には小走りになっちゃう。

僕が用を足した後、娘さんは「ジン君!」と呼び止め、リードを外して自由にさせてくれる。これこれこの瞬間。僕ははまるで別の世界に入ったかのように、周囲を探検し始める。草の上を駆け回り、木の根元で何かを探し、時には夜空を見上げて星を眺める。この自由な時間は、僕ににとっても娘さんにとっても、日常の束縛から解放される貴重な瞬間だ。

僕は遊び疲れるまで、近くの田畑や川辺を散策する。虫やカエル、時期によってはホタル、草木の揺れる音、風、雨、他には誰もいない、僕が世界の中心って感じ。あ、たまに鹿やイノシシと出くわすけど、あの人たちは関係ない。

散歩から戻るのはその日の気分だ。雨の日はちょっと早めに切り上げる。濡れて帰ると僕も嫌だけど、娘さんが「臭い臭い」とうるさい。たまに泥遊びをして帰ると、13キロある僕をガシッと抱えて、風呂場へ連れて行く。風呂は嫌いだ。でも手前みそだが、洗われてる時はお利口だと思う。静かに終わるのをじっと待つ。

泥だらけの顔もシャンプーで泡まみれ。ブラッシングの後は乾燥。毛は短い方なのですぐ乾く。乾いたらマナウェアを装着して、その日だけは娘さんの家族とリビングで一緒に過ごす。娘さんもきれいになった僕をみて匂いを嗅いでウンウンと満足そうだ。だっておやつがいつもより多いもん。

でもついついマーキングのくせで、椅子とかテーブルの脚を見るとシッコをかけてしまう。マナウェアのせいで全然かかりませんけどね。家族は安心してるけどうっかり量が多いと横から漏れて「じょじょじょじょ~」「あ~!!!」って慌てる家族。はい~ここまで。

サークルケージへ入れられてお休みモード。僕も家族も心地よい疲れを感じて一日を終える。毎日が幸せだ。この家族に感謝しながら、ゆっくりと休もう。

コメント

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